共同研究の主旨と概要

 全国学校図書館協議会「第52回読書調査(2006年)」によると、小学生の読書率(平均冊数)は、 学校での読書指導が広がったことから増加傾向にあります。しかしながら、不読者数の割合も若干増えており、 読む子どもと読まない子どもに二極化が進んでいます。
 また近年は、子どもの心の発達支援に読書活動が非常に有効であるとの認識が深まっており、 ますます幼少期の読書活動の推進が重要になってきています。

一般に、図書管理システムは広く利用されてきていますが、 図書管理システムの検索キーワードは大人向けのものであり、かつ、 書名・著者名などの具体的な本のイメージを持っていないと検索が行えません。
 現状の目録情報では思いつくことばで検索しても該当する資料が探しきれないという問題を内包しています。
 更に、先生や司書がすべての子どもにレファレンス対応することは不可能であるにもかかわらず、 現在の図書目録では子どもは自分で読みたい本を判断することはできません。

 これらの状況を鑑み、2006年当時の(財)大阪国際児童文学館、筑波大学 図書館情報メディア研究科、富士通Japan株式会社の3者は、 子どもが自ら良い本に出会い、読書への興味を促すための環境改善を目的に、 子ども向け読書支援機能向上に関する共同研究を実施しました。
 共同研究では、子ども向けの独自分類、独自キーワードを設定することにより、 子どもが自ら本に出会う新しい本の探し方を提唱しています。  本サイトでは、共同研究の成果を活かし、従来の図書管理システムとは違う まったく新しい子どもの読書活動を支援するためのサービスを提供するものです。  本サイトの利用を通して、子ども自らが楽しい読書活動の世界に入るきっかけになることが 出来れば幸いです。